
国土交通大臣への陳情
現在、海上コンテナ陸上輸送事業者は『国際競争力の激化』『2024年問題』『燃料補助金の段階縮小』など厳しい環境下にあります。その中で、関係行政機関より現状の出口戦略を模索中との情報があり、輸送事業者として何かできることはないかと考え、関係行政機関・関係要路に対して陳情・要望をしていくことが効果的であると考えました。その厳しい環境下に身近な立場として、出口戦略の助けとなるような以下の3つの項目の実現に向けたご支援をいただきたいとの旨を伝えるため、国土交通大臣へ陳情を行いました。
1. 港湾事業者が運営するコンテナの荷捌き場の運営が滞ることによる、トレーラーの荷待ち時間の大幅な縮減対策。
2. 軽油およびガソリンに設定される燃料課税の旧、暫定税率の撤廃。
3. 同じ国際物流の担い手の港湾運送事業者に特典として与えられ続けている、免税軽油の海上コンテナ陸上事業者への新規適用。
海上コンテナ陸上輸送事業者を取り巻く環境
国際競争力の激化
阪神淡路大震災以降、神戸港は長距離国際航路の寄港が減少し、輸出入貨物の取扱量は伸び悩んでいます。今後手を打たなければ、オリジン貨物(貨物出発地、積出港)の少ない神戸港のコンテナ輸送は微減、若しくは減少し続け、やがて外貿は現在の量の半減以下になる可能性があります。

しかし、幾度となく荒波を乗り越えてきた神戸港にはチャンスがあります。それは六甲アイランド南コンテナターミナル(RISCT)の新規オープンです。そのチャンスを最大限に活かすために、輸入促進策(Incentiveの補助金施策等)の励起や、CT内の荷役オペレーション効率を向上させ、世界第4位のコンテナ取扱量を誇ったかつての神戸港を蘇らせる必要があると考えます。

2024年問題
時間外労働の上限規制により、トラックドライバーの年間時間外労働が960時間に制限されました。これにより、 輸送能力の低下、 ドライバー不足、 物流コストの上昇が発生する可能性が高いと言われています。また、長距離輸送の制約によって、今後のコンテナ輸送に遅延が発生する懸念もあります。そのため、コンテナの荷捌き場の運営が滞ることによる、トレーラの荷待ち時間の大幅な縮減対策や、物流コストを圧迫する一因である燃料補助金の縮小と過剰な税負担を改善する必要があると考えます。
燃料補助金の段階縮小
現在、トリガー条項(ガソリン価格が値上がりしたときにそれをストップする仕組み)は東日本大震災復興支援のため凍結中となっています。ガソリン価格は民主党政権時の160円を超えて180〜185円/Lに達しており、さらに経済産業省は補助金10円削減を発表しました。ガソリン税は53.8円のうち、25.1円が本来の税率に上乗せされていますが、2009年に道路特定財源が一般財源化されてからは使途が不明瞭になっています。それらのことから、本来のガソリン税・軽油引取税の水準に戻し、現状にそぐわない制度(過剰な税金)に対しては、その撤廃に向けた法改正が必要であると考えます。
神戸港の現状と挑戦に関してはこちらの記事を参考にしてみてください。