【神戸港の挑戦と未来】コンテナ取扱数から見る、かつての栄光を取り戻すための戦略とは

1980年代、神戸港は世界第4位のコンテナ取扱量を誇り、日本の物流の中心地として活躍していました。しかし、2021年にはその地位は世界第73位まで低下。今、神戸港はかつての輝きを取り戻すための転換期を迎えています。本記事では、神戸港の現状と未来に向けた取り組みについてご紹介します。

1. かつての神戸港の役割

1980年、神戸港は145万TEUのコンテナを取り扱い、大阪商圏や名古屋・瀬戸内海地域からの輸送の拠点として機能していました。また、近海国際FEEDERとして中国・アメリカ西岸への接続、さらにはトランシップ(T/S)港としての重要な役割を担っていました。

2. 現在の神戸港と課題

2021年、神戸港のコンテナ取扱量は282万TEUとなり、かつての地位から大きく後退しています。内航船の整備拡充や国際戦略港湾としての指定を受けたものの、長距離国際航路の寄港が減少し、輸出入貨物の取扱量は伸び悩んでいます。2018年には取扱量が295万TEUでピークアウトし、現在は大阪・瀬戸内からのHub貨物と神戸オリジン貨物が中心です。

3. 六甲アイランド南コンテナターミナル(RISCT)の可能性

神戸港の復興に向けた鍵の一つが、六甲アイランド南コンテナターミナル(RISCT)の新規オープンです。このターミナルでは、効率的な荷役を実現し、T/S貨物の増加を目指しています。超高荷役効率(150MV/Hr)とバース待ち無しの運用により、スムーズなスケジュール管理を可能にすることが期待されています。

4. 神戸港の未来を切り拓くための戦略

神戸港が再び成長軌道に乗るためには、以下の戦略が重要です。

  • T/S貨物の増加:積替え貨物の取り扱いを増やし、船社の抜港を防止。
  • Reefer貨物の輸入強化:輸入後の空コンテナ回送を効率化し、取扱量を向上。
  • 長距離基幹航路の回復:船社にRISCTの利便性をアピールし、寄港を促進。

まとめ

神戸港は、かつての黄金期を取り戻すために多くの課題に直面していますが、新たなターミナルと戦略的な取り組みで未来を切り拓こうとしています。六甲アイランド南コンテナターミナルの活用を通じて、神戸港は再び国際物流の重要なハブとしての役割を担う日が来るでしょう。

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